スーダン訪問記

第4回 アフリカ大陸 スーダン 南スーダン カポエタについて


アフリカ大陸には53カ国が存在します(2009年3月時点)。
総面積は3030万平方キロ(世界の22.3%)。
人口は8億5千万人(世界の13.7%)。
つまり世界の2割強の面積に世界の14%弱の人間が住んでいることになります。 ナイロビやケープタウンのような都市も存在しますが、その多くは原野であり、多くの国々が貧困にあえいでいるのが実情です。

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そのアフリカの東部に今回訪問したスーダンは、ほぼ赤道の真下に位置します。

スーダンの面積はアフリカ最大250万平方キロ(日本の7倍)あります。
人口は3856万人。
首都はハルツーム(人口約452万人)。
スーダンには2005年まで内戦がありました。
アラブ系の北スーダンと黒人系の南スーダンが政権を争い約190万人が死亡、400万人以上が家を追われています。

“ダルフールの悲劇”と呼ばれる虐殺もこの過程で起きています。

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【東エクアトリア州】
今回訪問したカポエタ・タウンは南スーダンの東エクアトリア州に含まれます。

人口は161万人。
8つの郡、241のBoma(集落の単位:200~1200人)。
色々な部族が混在し、言葉も文化も異なります。

この南スーダンの政府が優先する事項は次のようになります。

1.治安維持、防衛

2.道路インフラ

3.プライマリ・ヘルス・ケア(初等医療)

4.初等教育

5.水

6.ライブリフッズ(Livelihoods:家畜、生活、生計等)

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つまり、人々の生活よりも治安を維持すること、北スーダンからの侵略に備えることが優先されるのです。 これは内戦を経験してきた国だからこその選択であるとも言えますが、そのぶん人々の生活にしわ寄せが来るのは避けられない事実です。
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その結果、

1.東エクアトリア州(人口161万人)における免許を持った医師の数はたった14名。

2.地域の平均寿命は平均寿命は42歳。

3.新生児の死亡率は10.2%(日本は0.5%)

4.5歳未満児の死亡率は11.7%(日本は0.4%)

5. 井戸のように浄化された水を使用することができるのはたった36.7% 3分の2の人間は川や水溜りの水を利用するしかありません。しかし、それらの水には病原菌や病気を媒介する微生物が沢山存在します。

6. 1人あたりの1日の水使用量平均値は2.5ℓ。日本人は307ℓ使っています、トイレ1回に使用する量は13~15ℓです。
電気もない、水もない、食べるもの、着るもの、学校も病院もここにはありません。でも人々は力強く生きています。何もないのが当たり前のように・・・

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【カポエタタウン】
「難民を助ける会」(AAR)の事務所があるカポエタタウンの人口は1万7千人。
SPLA(スーダン開放戦線)やその支持母体のディンカ族とハルツーム政府(北スーダン)の戦闘の前線となった町ゆえ、被害が最も大きい町の一つです。
街の中央には放置された装甲車が雨ざらしになっています。
5分も車を走らせると赤と白で塗り分けられた石が並んでいます。この石より奥は”地雷原”であるという印です。
そうです、ここは間違いなく”戦場”だったのです。
株式会社イングラム
代表取締役 加藤勉
*次回に続く