スーダン訪問記

第2回 スーダンまでの道のり-1


今回のスーダン訪問に際して取引先からTシャツ300枚をご協賛いただきました。
段ボール箱にして3箱。重さにして約90キロになります。

スーダンまでの旅程は、成田からバンコク、バンコクでケニア航空に乗り換えてナイロビへ、ナイロビでスーダンの入国手続きを行い、翌日ナイロビからケニア北部のロキチョキオは空路移動、そして最後はカポエタから迎えに来てくれたランドクルーザーに乗って陸路でスーダン国境を超えていきます。
時間にしてトータル58時間の旅です。

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しかも、段ボール3箱を抱えての移動は決して容易ではありませんでした。
まず、成田空港のカウンターで「荷物の超過料金が9万円になります」と言われてしまいました。いつも使っているJAL(成田-バンコク)は事前に支援物資ということで超過分は無償にしていただいていました。問題はバンコクからナイロビまでのケニア航空の分です。9万円あったら現地でTシャツ200枚程度は購入できます。
ここは同行していただいた大西さん(『難民を助ける会』)のアドバイスもあり、バンコクで荷物を降ろして、バンコクのケニア航空と交渉することにしました。

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果たして、バンコクの空港に到着したものの、乗り換え便の出発まで9時間もあるため、ケニア航空の担当者は不在、ここで6時間近くの時間をつぶし、カウンターが開くのを待って交渉開始、粘り強い交渉の結果、9万円と言われた超過料が1万円にまで下がりました。これで一安心です。
バンコクでナイロビ行きのケニア航空に乗り換え、夜中12時40分出発、9時間のフライトでナイロビ到着、時差もあって朝5時30分です。

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ナイロビの空港まで『難民を助ける会』のカポエタ現地スタッフ石橋さんが迎えに来てくれていました。一旦ナイロビの事務所に足を運んで、スーダン入国書類の受け取りや支援物資の荷造りしなおし等を行って、翌日のスーダン入国に備えました。
そして翌日の朝一番でナイロビのウイルソン空港に行き、ケニア北部のロキチョキオ行きの飛行機に乗り込みます。この飛行機がプロペラ機、しかも当初予定されていたものは18人乗りで「何があってもおかしくない」感じ、ただし実際には乗客が増えて40人乗りの大型機に変更されていました。このプロペラ機から眺めるケニアはどこまでも続く広いサバンナ、そして砂漠、枯れた川、徐々に景色が文明から離れていきます。
約1時間のフライトで到着した”ロキチョキオ空港”、まるで神津島の空港、いやそれ以上に何もない空港です。

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このロキチョキオにカポエタの事務所からランドクルーザーで出迎えがありました。10人くらい乗ることが出来る大型ジープです。既に市内で買い込んだ日用品等をぎっしりと積み込んであります。

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今回の旅、ここからが最も危険な地域に入ります。
すなわちケニア国境からスーダン国境までの90分が俗にいう”無法地帯”、武器を携えた山賊がいまだに占拠している地域です。

ロキチョキオ空港を出てから5分もすると舗装道路がなくなります。ケニア国境近くでは物資輸送トラックが横転して川に落ちています。落ちたばかりなのか、周りを大勢の野次馬が囲んでいます。
運転手たちはひっくり返ったトラックの上で呆然とするばかりでした。
株式会社イングラム
代表取締役 加藤勉
*次回「スーダンまでの道のり-2」に続く